夫が自営業をしていて、確定申告書には収入が低いと書いてあります。でも、実際にはとても豪華な生活をしているようです。この場合、裁判所は確定申告書の低い収入をそのまま婚姻費用(生活費)の計算に使うのでしょうか。
ご主人の確定申告の内容と実際の生活ぶりに大きな乖離がある場合、裁判所の判断が変わる可能性があります。
自営業者の総収入は、原則として確定申告書の「所得金額」に基づいて計算されます。
しかし、あなたが指摘するように、もしご主人の確定申告の内容が実際の生活ぶりと明らかにかけ離れている場合(例えば、申告上は赤字であるにもかかわらず、高級マンションに住み、外車を所有し、愛人に金銭的支援をしていたり、調停期日に高価な腕時計を身に着けて出廷したりする場合など)、裁判所は確定申告書の信用性自体を疑うことがあります。
なお、個々の経費(接待交際費、仕入原価、広告宣伝費など)について、「水増し」「架空」であると主張しても、裁判所が税務の専門知識をもとに個別判断することは難しいため、ほとんどの場合そうした主張は認められません。
したがって、総収入に争いがある場合には、経費の内容に着目するのではなく、ご主人の実際の「暮らしぶり」(生活水準)に注目することが、裁判所に実収入を推計してもらう突破口となる可能性があります。
裁判所が収入を推計する場合には、同居時の生活水準や賃金センサス(統計データ)などを参考にして、実際の収入額を算出することになります。